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わさお

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手つかずの神秘的な原生林・白神山地。そのはずれにある小さな漁師町では、不思議な風貌をした、ライオンほどもある大きな白い犬を見たという噂が、相次いでいた。素っ気なくも、どこか愛らしいその犬は、町の人々を見守るように、ひっそり現れては、すぐに姿を消してしまうのだった。海辺で焼きイカ屋を営むセツ子の前にも、その、わさわさの白い毛に包まれた大きな犬は現れた。たくさんの捨て犬を深い愛情を持って育ててきたセツ子は、素っ気ないそぶりをみせるその犬にも、分け隔てのない愛情を注ぎ、わさわさの白い毛に包まれているところから“わさお”と名づけたその犬と、次第に心を通わせていく。ある時セツ子は、わさおの視線の先に、いつも、あきらという少年がいることに気づく。あきらを遠くから見守りながらも、決してあきらに近づこうとはしないわさお。実はわさおは子犬のとき、あきらに捨てられ、あきらに逢うために、東京からはるばる青森まで、旅をしてきたのだった。わさおの噂を耳にしながらも、わさおが、自分の飼っていた子犬だと気づかないあきら。そんなあきらを遠くからみつめるわさお。長い間入院していたあきらの母親が、手術を受けるというその夜、不安に駆られたあきらは、一人で母の病院に行こうとして、白神山中で、道に迷ってしまう。折しも、町では、白神山地に熊が出るという情報が出ている時だった。あきらが行方不明になったという知らせをうけて、セツ子をはじめ、町の人々は、騒然とする。そんな中、あきらの危険を、いち早く察知したのは、あの、わさおだった。白神山地に向かって、ひた走るわさお。―わさおと人間は、再び心を通わすことができるのか?

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