団地に住むどこにでもいる主婦・容子。夫・和夫との食卓には今日も会話はない。夫婦の関係は既に冷え切ってしまっていた。容子は今日もまたいつもと変わらない家事を一人でこなす。まるで鳥籠の中の小鳥のようだ…。そんな容子には夫には秘密にしている、とある日課があった。それは誰かに襲われる妄想に耽りながら自慰をすることだ。ある日、容子がいつものように妄想自慰をしていた時、カーテンの隙間から誰かの視線を感じた。恐る恐るそっとカーテンの隙間から外を見ると、誰かが双眼鏡でこちらを覗いていた!これは妄想なのか、現実なのか…・。それとも願望や欲望?いやこれは紛れもなく現実だ。容子は真相を確かめようと外に出る。そこで、とある男性に呼びかけられる。バードウォッチングをしていた健二だ。健二の真面目で優しい性格に、惹かれ始める容子。初めて外の世界を知ってしまった容子は健二への思いを止めることなどできなかった。鳥籠の小鳥は外の世界で生きて行けるのか…。
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