『守り継がれていくものがここにある』“手塩にかける”の語源とも言われる「揚げ浜式製塩」は、石川県能登半島の最北部「奥能登」で江戸時代から一度も途切れることなく続けられてきた。真夏の炎天下、汗だくの浜作業は、天気に左右される力仕事で、続く釜焚きは薪に火が灯れば摂氏60度にもなる釜屋で一昼夜寝ずの作業となる。日本の高度成長を陰で支えた大量生産による現代日本の製塩技法が確立した今、それでも浜士と呼ばれる男たちが、手づくりの塩にこだわり、日夜塩づくりに励む意味とは……。
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